本文へ移動

小児科

熊本託麻台小児リハビリテーション・発達医療センター

2024年4月1日より、熊本託麻台小児リハビリテーション・発達医療センターを開設します。
これまでの神経や筋肉の病気、染色体異常、運動発達の遅れのあるお子さんに加えて、不器用さや発音の誤りのあるお子さんを、主な対象とさせていただきます。発音の誤りに関しては、熊本市の言葉の教室に通われているか、これから行く予定のお子さんは対象外です。

初診時の受付について

当センターは、予約制になっております。医療機関からの紹介状が必要です。
下記にご連絡いただき、小児科外来初診の予約をお取りください。初診は予約時間の30分ほど前にご来院ください。
 
月~金 13:30~16:30
電話番号 096-381-5111

初診時年齢

1.神経や筋肉の病気のお子さん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中学生まで
2.染色体異常や運動発達の遅れのあるお子さん・・・・・・・就学前
3.不器用さのあるお子さん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3才~就学前
4.発音の誤りのあるお子さん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・年長~小学1年生
(上記以外の初診の時期に関しては、相談して下さい。)
 
以下の問診票をダウンロード・印刷後、ご記載いただき、初診時にご持参下さい。早めに来て頂き、待合室で書くことも可能です。

問診票_20240201版

(2024-02-07 ・ 142KB)

問診票_20240201版(Word)

(2024-02-07 ・ 24KB)

センターの方針

当センターでは、検査や観察、聞き取りなどの評価を行った後に、お一人お一人の目標を設定して、発達の促進や機能の回復を目的としたリハビリテーションを行います。日常生活で、できることを少しずつ増やしていき、自分らしい生活を送れるように、小児神経科医、リハビリテーション科医、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、公認心理師、看護師が連携して最善の医療を提供します。また、お子さんのライフステージに沿って、お子さんとその家族がより良い生活を送れるように、必要に応じ保育所や学校、関連する福祉事業所など外部機関との連携を図るよう努めます。さらに障がいを持ったお子さんや不器用さでお困りのお子さんの生活をよくするために様々な環境調整をさせていただくことがあります。

それぞれの代表疾患

1.神経や筋肉の病気
 神経や筋肉に病気があり、体が自由に動かせないお子さんです。既に診断がついているお子さんが対象と
 なります。対象疾患は脳性麻痺、脳炎・脳症後遺症、頭部外傷後遺症、筋ジストロフィーなどの筋疾患、
 二分脊椎、骨形成不全などの骨系統疾患です。必要に応じて、足挿板、靴、短下肢装具、歩行器、座位保
 持装置、立位台、バギー、車いすなどの年齢や状態にあった補装具を提供します。代表的な疾患を記載し
 ます。
 
 1)脳性麻痺
  脳性麻痺とは、妊娠中または出産のときに、何らかの原因があって、その結果、麻痺などの運動機能に
  障がいが起こってしまったお子さんです。一般的には非進行性と言われています。原因は様々ですが、
  出産時に赤ちゃんの脳へ酸素の供給がうまく出来ないことで起こる低酸素脳症や、ビリルビンが脳の
  基底核という場所に蓄積する核黄疸などで起こります。
  症状としては、手足の麻痺、筋緊張亢進・低下、反り返りが強い、手足がいつも動いている(不随意運
  動)、バランスが悪い、知的障がい、視覚障がい、てんかん、嚥下や噛むことが上手に出来ない、上手
  くしゃべれないなどの症状を認めます。知的障がいに伴い、言語障害を認める場合もあります。
               
 2) 筋ジストロフィー
   筋ジストロフィーとは、年齢と伴に筋肉が徐々に壊れていき、進行性に筋力低下をきたす遺伝性の病気
  です。心臓や呼吸機能等の異常を認める場合もあります。筋ジストロフィーにはデュシェンヌ型、ベッカー
  型、福山型、肢体型など様々な病型があります。筋強直性筋ジストロフィーは筋強直症候群に分類されま
  す。
 
 3)二分脊椎
  二分脊椎とは、赤ちゃんの脊髄の形成に異常が発生することによって生じる先天性の疾患のことです。
  多くの場合、腰椎や仙椎などで脊柱管の形成に異常がみられます。下肢の麻痺、排尿障害、排便障害、
  けいれん、水頭症などの症状を認めることがあります。キアリ奇形と言って、脳の異常を合併する場
  合もあります。
 
2.染色体異常
 染色体に異常があり、病気を発症したお子さんです。染色体に異常があるお子さんは発達がゆるやかで不
 器用なことが多く、ダウン症候群やプラダーウィリー症候群などが代表的な疾患です。
 
 1)ダウン症候群
  ダウン症候群は、21番目の染色体が1本多く3本あるため、21トリソミーとも呼ばれます。多くの場合、
      運動や知的な発達にゆるやかさがあります。筋肉が柔らかく関節の過伸展、心臓や消化器系の疾患、甲
  状腺機能低下症、眼の疾患、難聴、環軸椎脱臼、臍ヘルニア、扁平足などを合併することがあります。
      また、知的発達のゆるやかさにより、言語発達もゆるやかになります。
 
3.運動発達の遅れ
   乳幼児健診などで、頸が座るのが遅い、歩き始めが遅いなどの運動発達の遅れがあるお子さんです。また、
   極低出生体重児などで、運動発達のゆるやかさが予想される場合は、早めのリハビリテーションをした方
 がよい場合があります。追いついて正常発達になることも多いです。しかし、中には知的障がいや神経発
 達症(発達障がい)のお子さんもおられます。また、筋疾患や神経疾患の方もおられますので、検査が必
 要な場合があります。
 
4.不器用さにより生活に支障をきたすお子さん(発達性協調運動症)
   神経発達症群の1つです。身体機能の問題が無いにもかかわらず、同じ年齢の子に比べて体の使い方が明
   らか苦手で、生活に支障をきたしているお子さんです。例えば、同年代のお子さんに比べて以下のことの
 苦手さを認めます。
 【症状】
    段差のない所で転んだときに手が出ない、箸を上手に使えない、上手にはさみを使うことができない、
  ボタンをはめられない、ひもが上手に結べない、上手に塗り絵が塗れない、自転車に乗ることができ
  ない、縄跳びができない、スポーツをすることが苦手、キャッチボールが出来ない、物を落とす、物
  によくぶつかる、字を上手に書けない、姿勢が崩れやすい 

  上記の症状は、協調運動の障がいに起因することが多いです。普通は、手と手、手と目、手と足などを、
  同時にスムーズに動かせますが、協調運動障がいがあると、それが上手にできません。当センターでは作
  業療法士及び理学療法士が、CLASP、JMAP、感覚プロファイルなどの検査を用いて、お子さんの得意・
  不得意を評価して、不器用さが改善するように、リハビリテーションをさせて頂きます。
  リハビリテーションを行うことにより、できることも増えます。園や家庭内での持続的な練習も必要です。
 
  発達性協調運動症は、自閉スペクトラム症、注意欠如多動症を併存していることも多いです。自閉スペク
  トラム症や注意欠如多動症や睡眠障害を併存して、生活に支障を来している場合は、ご家族と相談して、
  薬物療法の提案をさせて頂く場合があります。
  自閉スペクトラム症;他児とのかかわりの苦手さ、コミュニケーションの苦手さ、こだわりの強さ、感覚
  の敏感や鈍感さを認めます。
  注意欠如多動症;同年代の子と比べて、集団行動ができない、じっとしていられない、かんしゃくがひど
  いなどの不注意と衝動性を認めます。
  睡眠障害;夜泣きや夜になかなか寝ないなどの症状があります。
 
5.発音が苦手なお子さん(機能性構音障害)
  ことばの理解力や発語に関わる器官(唇や舌)などに異常がないにも関わらず、一般的に獲得するといわ
  れる年齢が過ぎても、発音を誤っている状態を言います。例えば「かめ」が「ため」(か→た)、「さめ」
  が「ため」(さ→た)などの音に置き換わる場合や、正常とは異なる発音の癖を身につけてしまい独特な
  ”ひずみ”が現れる場合があります。発音がうまくいかないことで周囲とのコミュニケーションに支障が出
  たり、周りに指摘され本人が自信を無くしてしまうことがあります。
  小学生前までに日本語にある音のほとんどは言えるようになります。言語発達に問題がなければ就学前後
  が発音開始の訓練の目安と言われています。
 

神経小児科の紹介

初めて来院されるお子さんの窓口です。神経小児科は脳、神経、筋に何らかの異常がある小児の診断、治療、指導を行う科です。当センターには現在4名の小児神経専門医が在籍しております。運動発達の遅れのあるお子さん、脳神経や筋肉に障がいがあり体が不自由なお子さん、不器用さで日常生活に支障を来しているお子さんに対して、リハビリテーションを中心に適切な医療を提供します。まず、ご家族に丁寧にお話を聞いて診察します。次いで、理学療法、作業療法、言語療法などのリハビリテーションの方針を決めていきます。必要に応じて、心理検査を含む検査や薬物療法もします。当院で簡単な検査は行いますが、さらなる検査が必要な場合は、熊本県内の中核病院などを紹介します。ご不明な点がありましたら、ご遠慮なくお尋ね下さい。

小児リハビリテーション科の紹介

装具治療、補装具(座位保持装置・車椅子・歩行器等)の作製を行っています。麻痺や変形に対する装具はもちろんのこと、各機能の改善を目指し細かな問題点に対しても装具作製によりできることを検討しています。既存の装具もありますが、ご本人やご家族の悩みに合わせて装具を開発することも行っています。
さらには、リハビリテーションの観点から運動や感覚、精神面の発達に関して診察、治療を行っていきます。運動面では筋力の強さやそのバランス、筋を使いこなす器用さ等を診ていきながらより効率よく運動発達を促せるように各職種と連携を図り、環境の調整も行っていきます。人は感覚に対しての感受性は様々です。過度の過敏や鈍感さにより、生活に支障をきたしている場合があり、リハビリの中でその調整を行います。日常生活で様々な経験ができるようご家族にも丁寧に説明を行っています。また、運動、認知、言語の発達がお子さんの精神面に影響するため、環境調整をご家族と一緒に考えていきます。

小児リハビリテーション部門

<小児理学療法(小児PT)>
 お子さんの発達の促進や運動機能の向上•維持を目指します。主に発達の遅れや神経や筋肉の病気のお
 子さんが対象になることが多いです。座る、立つ、歩行などの基本的身体機能の促進を目指します。
 必要に応じて歩行器などを使用した移動手段の向上や維持、運動機能を保つため関節拘縮の予防など
 のリハビリテーションを行います。
 乳幼児期のお子さんの場合、姿勢や運動の発達を促すために、遊びを通して本人が嫌がらないように楽
 しくリハビリテーション行います。また、かかわり方を家族や保育園の先生方に助言します。児童期や
 青年期になったら、より具体的に目標を設定し、家庭や学校で助言をして、生活を通してリハビリテー
 ションをしてもらいます。
 
<小児作業療法(小児OT)>
 お子さんの食事、着替え、トイレ等の日常生活の自立の促進、不器用さの改善を目指します。それらの困
 難さの原因は、麻痺や筋疾患等の身体の障がいだけでなく、協調運動、感覚や認知がある場合がありま
 す。例えば、食事の場面でスプーンや箸など使用するのが苦手なお子さんには、それがスムーズに使え
 るようにリハビリテーションをします。学習面では上手に鉛筆やハサミなどが使えないなどの困りごと
 を減らします。場合によってはパソコンやタブレットなども学習環境にとりいれる場合もあります。
 当センターのリハビリテーションだけでなく、日々の家庭や学校での練習が必要です。
 不器用さのあるお子さんは評価後、もう少しでできそうなことから楽しんでリハビリテーションを始め
 ます。そして、少しずつ本人やご家族と相談しながら、苦手なことや新しいことにチャレンジをしてい
 きます。できないことが多いと、劣等感が先に立ち、やる気がなくなり、苦手なことは避けるようにな
 ります。できたという達成感があると、次のことにチャレンジしてみようという好循環になります。
 将来的には、生活で困らないようになるのが目的です。
 
<小児言語聴覚療法(小児ST)>
 乳幼児期や児童期の聞く、理解する、話すなどのコミュニケーションの指導や援助、発音の問題(聞き
 取りづらさ)への構音訓練等を行います。
 国リハ式<S-S法>言語発達遅滞検査、絵画語い発達検査<PVT-R>、質問-応答関係検査、新版構音検
 査など、発達に合わせた言語の発達やコミュニケーションなどを評価し、問題の本質や症状の発現を明
 らかにして、必要に応じて、適切なリハビリテーション、指導、アドバイス、他機関との連携を行いま
 す。音声言語でコミュニケーションが困難な場合は、ジェスチャーや絵カード、コミュニケーション機
 器といった補助・代替コミュニケーション手段を用いる場合があります。
 
<心理検査>
 公認心理師が、必要に応じて、新版K式発達検査、WISC-IV(知能検査)、PARS-TR(自閉スペクトラ
 ム症の検査)、ADHD-RS(注意欠如多動症の検査)などを行い、お子さんの発達段階や発達特性を
 調べます。家庭内や集団生活での様子、困りごとなどをお子さん本人や保護者にお聞きします。検査
 中の行動観察も参考にして「できないこと」、「苦手なこと」、「問題行動(とみなされてしまう行動)」
 だけでなく、お子さんの健康的な側面や強み、その子らしさなど多角的に評価します。場合によって
 は保育園や幼稚園からの聞き取りも必要となります。

神経小児科

大谷 宜伸(おおたに よしのぶ)
小児科部長

資格・認定

  • 医学博士(熊本大学)
  • 日本小児科学会小児科専門医
  • 日本小児神経学会小児神経専門医
  • 日本小児神経学会発達障害診療医師

所属学会

  • 日本小児科学会
  • 日本小児神経学会

木村 重美(きむら しげみ)
小児科第二部長

資格・認定

  • 医学博士
  • 日本小児科学会小児科専門医
  • 日本小児神経学会小児神経専門医
  • 日本小児科学会出生前コンサルト小児科医
  • 日本小児神経学会発達障害診療医師
  • 日本小児神経学会評議員

所属学会

  • 日本小児科学会
  • 日本小児神経学会

上野 弘恵(うえの ひろえ)

資格・認定

  • 日本小児科学会専門医・指導医
  • 日本小児神経学会専門医

所属学会

  • 日本小児科学会
  • 日本小児神経学会
  • 日本リハビリテーション医学会
  • 日本てんかん学会

米峰 かず子(よなみね かずこ)

資格・認定

  • 日本小児科学会専門医

所属学会

  • 日本小児科学会

山本 志保(やまもと しほ)

資格・認定

  • 日本小児科学会専門医・指導医
  • 日本小児神経学会専門医
  • 日本小児精神神経学会認定医

所属学会

  • 日本小児科学会
  • 日本小児神経学会
  • 日本小児精神神経学会 

小児リハビリテーション科

兒玉 香菜子(こだま かなこ)

資格・認定

  • 日本リハビリテーション医学会 専門医

所属学会

  • 日本リハビリテーション医学会
2024年4月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
TOPへ戻る